地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究
厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)令和4年度~5年度
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報告書
令和4年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)
地域・職域連携推進ガイドラインを活用した保健事業の展開に関する評価及び連携強化のための研究
【令和4年度 総括・分担研究報告書】
研究班概要
【研究の背景】
健康寿命の延伸及び生活の質の向上のためには、青壮年・中年層から生活習慣病予防に継続的に取り組む必要がある。自治体は、国保データだけでなく被用者保険データも含めて地域全体の健康課題を把握し、PDCAサイクルを回しながら地域・職域連携事業に取り組むことが求められる。令和元年に改訂された「地域・職域連携推進ガイドライン」では、幅広い連携事業の促進、小規模事業場等への対応、協議会の効果的運営、柔軟なPDCAサイクルが示され、本ガイドラインを活用して成果を上げている自治体が出てきたが、全国的な普及には課題がある。
昨今、高齢労働者の増加やコロナ禍による働き方の変化に伴い、新たな健康課題への対応が必要となっている。運営方法についても、コロナ禍において従来型の保健事業は実施困難となり、協議会の運営方式の見直しやICTの活用等新たな保健事業手法への転換が進んでいる。日本健康会議実行宣言2025ではコミュニティの結びつき、一人ひとりの健康管理、デジタル技術等の活用に力点をおいた予防・健康づくりの推進が掲げられたところである。
【本研究班について】
本研究では、地域・職域連携における保健事業の推進状況を評価し、ICT活用の状況やその進展に向けての方策を検討する。研究代表者は先行の「地域特性に応じた地域・職域連携推進事業の効果的な展開のための研究(20FA1001)」において進捗チェックリストや評価指標を作成、自治体とのワークショップ等を通じて自治体担当者が抱える課題を把握し、解決を促す方策を検討してきた。新研究班は産業保健、地域保健の両者の立場で構成し、自治体や保険者(協会けんぽ等)を研究協力者に加え、(独)労働者健康安全機構、日本産業衛生学会中小企業安全衛生研究会、経済産業省ヘルスケア産業課の協力を得る。NDBオープンデータベースや健康スコアリング等を活用して健康課題を可視化、自治体・関係者が理解しやすいアウトプットと活用法を検討する。
以上のように、本研究では地域・職域連携推進事業の実施における新たな課題を整理し、より効果的な地域・職域連携を推進する保健事業を普及啓発することを目標とする。なお、今後策定される健康日本21、第4期特定健診等実施計画(令和6年度)等の方向性を踏まえ、「地域・職域連携推進ガイドライン」の改訂をするためのエビデンスの収集を併せて行う。
【研究組織】
津下 一代 | 女子栄養大学特任教授 |
横山 徹爾 | 国立保健医療科学院生涯健康研究部部長 |
渡井 いずみ | 浜松医科大学医学部看護学科教授 |
都筑 千景 | 大阪公立大学看護学研究科教授 |
(研究協力者) | |
髙部 さやか | 浜松医科大学医学部看護学科助教 |
尾崎 伊都子 | 名古屋市立大学大学院看護学研究科准教授 |
藤本 優子 | 大分県立看護科学大学広域看護学講座地域看護学研究室講師 |
薮本 初音 | 南大阪看護専門学校副学校長 |